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誓真さん没後200年 遺徳を偲ぶ会 遺徳を偲ぶ会 記念植裁式
誓真大徳頌徳碑
   
 

誓真さんを知る者がここに会し、遺徳を偲ぶ集いを開かれたことに対し、心よりお慶び申しあげます。
時の移り変わりとともに、忘れ去られることが多い中にあって、宮島の大恩人の命日を機会に、先人たちの営みを振り返ることは、21世紀・大変革期を迎えようとする今日、本当に意義深いことです。
厳島は、厳島神がご鎮座されて以来1400有余年。その社殿は浜辺に建ち、四季折々にまた潮の干満につれ日々姿を変え、来し方の人々の営みを今に伝え、多くの人たちの心を魅了してきました。
華麗な社殿は、時に風水害など過酷な自然の試練に会いながら、そのつど島の人たちを始め多くの人々の尽力によってそれを克服してきました。神社をとりまく濃い緑に包まれた島の姿は、自然と人々が調和して生きていたかを物語るものです。
急峻な地形と樹木の生い茂るこの島に生きる人たちは、他地域のように山野を切り拓いたり、海を埋め立てて耕作地を拡げることはせず、山の幸・海の幸を糧として、訪れる人たちを迎えていました。身近な樹木に細工を施し、それをみやげとして商うという暮らし方を教えられたのは誓真さんでした。そして井戸を掘って生活用水を確保し、町の道を改良して人々の暮らしを便利にされました。まさしく、自然の恵みの中で幸せに生きる方法を教えられたのです。
こうした生き方を見出し「日本三景 宮島」はわが国を代表する名勝地の名を広め、杓子は宮島の特産品として多くの人たちに知れ渡るようになりました。
瀬戸内海に浮かぶ島・厳島(宮島)の担っている使命は、人々の心に潤いと安らぎをあたえ、そして大自然と人間がいかに調和して生きているか、時の永遠なることを、その姿を通して後世に伝えていくことだと信じております。人類共通の文化遺産・世界遺産に登録された今日、こうした宮島の先人たちの営みをさらに広く世界各国に伝えていかねばなりません。
20世紀最後の年、没後200年に、誓真さん及び先人たちの遺徳を偲ぶために集まられた人々に敬意を表するとともに、新たな未来が人々に幸せをもたらすことを願いつつ、お祝いのことばとさせていただきます。

平成12年9月3日

 
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